2025年6月29日現在、Amazonで注文した商品の配送状況を見ると、「6ストップアウェイ」「5ストップアウェイ」といった表示が地図上に現れるようになった、という投稿がSNSを中心に増加しています。
「ストップアウェイって自分だけ?」「これって何を意味しているの?」と戸惑う声も多く、話題になりつつあります。
Amazonのストップアウェイ(何軒後に配達される)が表示されるようになったのか
— sabaku (@sabaku_ele) June 27, 2025
この表示が一体どんな仕組みで成り立っているのか、どのような条件で表示されるのかについては、知られていません。
そこで本記事では、Amazonのマップ追跡機能「◯ストップアウェイ」に焦点を当て、その意味や表示の要件、仕組みについて、既に機能の提供が開始されている米国の情報を元に解説していきます。
Amazonの「◯ストップアウェイ」とは?
Amazonで注文した商品を心待ちにする中で、配達状況をリアルタイムで追跡できる「◯ストップアウェイ」という機能は、利用者の利便性を大きく向上させる画期的なサービスです。
このセクションでは、この機能がどのようなものであり、そのユニークなカウント方法がどのような仕組みで成り立っているのかについて、技術的な背景も交えながら詳しく解説します。
配送ドライバーの現在地を示す “Map Tracking” の概要
「◯ストップアウェイ」とは、正式には「Amazonマップ追跡(Amazon Map Tracking)」として知られる機能の一部です。
日本での導入時期は不明確で、2025年6月時点では公式発表がありませんが、米国では2017年頃から一部地域で提供が開始され、2018年には米国内で広く利用可能となりました。
利用者は、自身の注文商品が配送される最終段階において、配送を担当するドライバーの車両が今どこにいるのかを地図上でリアルタイムに確認できます。
これにより、「荷物がいつ届くのか」という大まかな予測だけでなく、「自分の家に到着するまで、あと何カ所の配達先に立ち寄るのか」という、より具体的で詳細な情報を得ることが可能になります。
この機能の魅力を表で整理すると、以下のような利点が見えてきます。
利用者が得られる情報例 | 説明 |
---|---|
配達ドライバーの現在地 | 地図上でリアルタイムに表示され、今どこまで来ているかが一目でわかる |
あと何件で自宅に来るのか | 到着までに残っている配達先の件数を数値で表示。心の準備や在宅判断に役立つ |
配達予定時間の目安 | ストップ数から推測される「あと数分」の感覚で、置き配への対応がしやすくなる |
「ストップ=立ち寄り件数」というカウントの仕組み
この機能で最も特徴的であり、同時に多くの利用者が疑問に思うのが「ストップ」という単位の数え方です。
表示される「あと◯件」という数字は、自宅までの物理的な距離や、到着までの残り時間を示すものではありません。
ここでの「ストップ」とは、配送ドライバーが担当する配達ルート上の「立ち寄り先(配達地点)の件数」を意味します。
Amazonの配送網、特に「Amazonフレックス」では、ドライバーの仕事は「ブロック」という単位で管理され、一つのブロックには数十から百数十件の配達先が含まれています。
この一つ一つの配達先が「1ストップ」としてカウントされます。
ただし、すべてのストップが同じ時間で完了するわけではありません。
以下のように、配達先の条件によって1ストップあたりにかかる時間は大きく異なります:
配達先のタイプ | 所要時間の目安 | 配達の特徴 |
---|---|---|
一戸建て(置き配) | 1分以内 | 駐車→玄関前に荷物を置くだけで完了 |
オートロック付きマンション | 10分以上 | 駐車→入館手続き→エレベーター移動→部屋特定→宅配ボックス確認・荷渡し等が必要 |
このように、同じ「5ストップ」と表示されていても、それがすべて一戸建ての住宅であれば10分程度で到着する可能性がありますが、逆に5件すべてが複雑なマンションであれば1時間近くかかることもあり得るのです。
Amazonで購入した商品の配送状況をみると「ストップアウェイ」って地図上で現在の配送状況が分かるようになっている。ずっと大規模マンションで止まっていたりして、配達ルートが想像できるし面白いな。 pic.twitter.com/hQtlGVyr3y
— たか@さいたまちほー (@img_taka) June 29, 2025
この機能が表示する「ストップ数」は、あくまでドライバーの「タスクリストの残り件数」であり、利用者が感覚的に期待する「時間的な進捗」とは本質的に異なる指標である点を理解しておくことが重要です。
ほかの配送ステータス(配達中・配達完了など)との違い
「◯ストップアウェイ」の表示は、Amazonの注文追跡における一連の配送ステータスの中で、最も詳細かつ最終段階に位置づけられます。
この機能の独自性を理解するために、他の主要なステータスとの違いを整理します。
輸送中 (In Transit)
注文商品がAmazonの物流拠点であるフルフィルメントセンター(FC)を出発し、地域の仕分け拠点であるデリバリーステーション(DS)へ向かっている状態を指します。
この段階ではまだ最終的な配達車両には積まれておらず、その日のうちに商品が届く可能性は低いと言えます。
配達中 (Out for Delivery)
商品が最寄りのデリバリーステーションに到着し、そこからドライバーの車両に積み込まれて、その日の配達ルートを巡回している状態です。
このステータスに変わると、通常はその日のうちに商品が届く可能性が高くなります。
◯ストップアウェイ (◯ Stops Away)
「配達中」の中でも、特に配達先が間近に迫った最終フェーズで表示される特別なステータスです。
ドライバーが自分の配達先まで残り10件以内になると、この詳細なリアルタイム追跡が有効になります。
配達完了 (Delivered)
ドライバーが荷物の受け渡しを完了し、その情報がシステムに登録された状態です。
置き配や対面での受け取りが完了したことを示します。
これらの関係性を表にまとめると、情報の粒度が段階的に上がっていく様子がよく分かります。
ステータス名 | 意味 | 情報の粒度 | マップ追跡 |
---|---|---|---|
輸送中 (In Transit) | 倉庫から地域の配送拠点へ移動中 | 低 (拠点間) | 表示されない |
配達中 (Out for Delivery) | 地域の配送拠点から配達ルートを巡回中 | 中 (当日配達) | 表示されない |
◯ストップアウェイ | 配達先まで残り数件の最終アプローチ中 | 高 (リアルタイム) | 表示される |
配達完了 (Delivered) | 荷物の受け渡しが完了した状態 | 完了 | 表示されない |
このように、「◯ストップアウェイ」は「配達中」というステータスをさらに細分化し、利用者が最も知りたい「もうすぐ届く」という瞬間を可視化する、非常に詳細な情報提供サービスなのです。
まとめ
「◯ストップアウェイ」は、Amazonの配達体験をリアルタイムで可視化し、利便性と安心感を高める機能です。
しかし、その表示内容を誤解してしまうと、かえって不安や混乱を招くこともあります。
本記事では、この機能の仕組み意味について解説しました。
ストップ数は時間や距離を直接表すものではなく、「ドライバーの残り配達件数」を示しており、マンションか一戸建てかによって配達時間も大きく変わる点がポイントです。
また、「◯ストップアウェイ」というマップ追跡は、日本ではすべてのユーザーに常に表示されるわけではないようなので、今後のAmazonの発表にも注目したいですね。