毎日持ち歩くiPhoneで、日々の健康管理に「ヘルスケア」アプリの歩数計を活用している人は多いでしょう。
しかし、ある日突然「歩数がカウントされない」「数字がおかしい」といったトラブルに見舞われると、困ってしまいますよね。
多くの場合、その原因はiPhoneの簡単な設定ミスや、一時的なソフトウェアの不具合にあります。
この記事では、iPhoneのヘルスケアで歩数がカウントされない時に考えられる5つの原因から、誰でもすぐに試せる具体的な対処法、さらには歩数計測の精度を上げるためのコツまで、網羅的に解説します。
この記事を読めば、あなたのiPhoneが抱える歩数計の問題を解決し、再び正確な記録を取り戻す手助けとなるはずです。
iPhoneヘルスケアで歩数がカウントされない?考えられる5つの原因
iPhoneを毎日持ち歩いているにもかかわらず、ヘルスケアアプリの歩数が突然カウントされなくなったり、更新されなくなったりすることがあります。
その問題には、いくつかの原因が考えられます。ここでは、歩数が正しく計測されない場合に考えられる5つの主な原因を解説します。
原因1:「モーションとフィットネス」がオフになっている
iPhoneが歩数を計測するためには、本体に内蔵されたセンサーが体の動きを検知する必要があります。
この機能をアプリが利用するためには、「モーションとフィットネス」の設定がオンになっていなければなりません。
この設定が意図せずオフになっていると、ヘルスケアアプリは歩数を記録することができず、データは「0」のまま更新されません。
プライバシー設定の項目にあるため、見落としがちなポイントの一つです。
原因2:ヘルスケアのデータソース設定が正しくない
Apple Watchなどの他のデバイスをiPhoneと連携して使用している場合、ヘルスケアアプリは複数の情報源(ソース)から歩数データを収集します。
その際、どのデバイスのデータを優先して表示するかの順位が設定されています。
例えば、Apple WatchのデータがiPhone本体のデータよりも優先される設定になっていると、iPhoneを持って歩いていても、Apple Watchを身につけていない時間帯の歩数が反映されないように見えることがあります。
原因3:iOSのバージョンが古い、または不具合が発生している
iOSのアップデート直後に、一時的なソフトウェアの不具合で歩数計が正常に機能しなくなることがあります。
過去には、特定のiOSバージョンへのアップデート後に歩数がカウントされなくなったという報告もありました。
また、長期間iOSをアップデートしていない場合、古いシステムが原因でヘルスケアアプリが正しく動作しない可能性も考えられます。
原因4:低電力モードがオンになっている
iPhoneのバッテリー消費を抑えるための「低電力モード」は、一部のバックグラウンド機能を制限します。
これには、アプリの自動更新や一部の視覚効果などが含まれますが、歩数を計測するセンサーの働き自体は継続しますが、Healthアプリへのデータ同期や更新が遅延することがあります。
省電力のために、歩数のリアルタイム更新が遅れたりする場合があります。
原因5:iPhone本体のセンサーが故障している
iPhoneには、動きを検知するための加速度センサーやジャイロスコープといった精密な部品が内蔵されています。
これらのモーションコプロセッサ(Mチップ)が、歩行時の振動を捉えて歩数をカウントしています。
もしiPhoneを落下させるなどの強い衝撃を与えたことがある場合、これらの内部センサーが物理的に損傷し、歩数を計測できなくなっている可能性も否定できません。
【すぐできる】iPhoneの歩数がカウントされない・おかしい時の対処法
歩数がカウントされない問題に気づいた時、いくつかの簡単な操作で解決することがあります。
ここでは、すぐに試せる具体的な対処法を、簡単なものから順に7つ紹介します。
対処法1:iPhoneを再起動する
ソフトウェアの一時的な不具合が原因である場合、iPhoneを再起動するだけで問題が解決することがよくあります。
一度電源を完全にオフにし、少し時間をおいてから再び電源を入れてみてください。
それでも改善しない場合は、強制再起動を試すことも有効な手段です。
多くの軽微なエラーは、この再起動プロセスによってリセットされます。
対処法2:「モーションとフィットネス」をオンにする設定手順
歩数計測の基本となる設定が有効になっているかを確認します。
まず、iPhoneの「設定」アプリを開き、「プライバシーとセキュリティ」の項目へ進みます。
次に「モーションとフィットネス」を選択し、「フィットネストラッキング」や「ヘルスケア」のスイッチがオンになっていることを確認してください。
もし特定のアプリで歩数が連携されない場合は、同じ画面に表示されるアプリのリストから該当アプリを探し、スイッチをオンに切り替える必要があります。
対処法3:ヘルスケアのデータソースと優先順位を確認・変更する方法
複数のデバイスを利用している場合は、データの優先順位を見直します。
ヘルスケアアプリを起動し、「ブラウズ」タブから「アクティビティ」内の「歩数」を選択します。
画面を下にスクロールすると「データソースとアクセス」という項目があるので、そこからデータソースの優先順位を確認できます。
iPhone本体の歩数を優先したい場合は、リストの上部にiPhoneが来るように順序を編集してください。
対処法4:最新のiOSにアップデートする
iOSの不具合が原因である可能性を考え、システムが最新の状態であるかを確認します。
「設定」アプリから「一般」へ進み、「ソフトウェアアップデート」を選択してください。
もし新しいバージョンのiOSが提供されていれば、画面の指示に従ってアップデートを実行します。
これにより、既知の不具合が修正され、歩数計が正常に機能し始めることがあります。
2025年8月現在、最新のiOS 18.6.1にアップデートすることを推奨します。
対処法5:低電力モードをオフにする
バッテリーを節約するための低電力モードが、歩数計測の妨げになっていないか確認します。
「設定」アプリの「バッテリー」の項目を開き、「低電力モード」がオンになっている場合は、スイッチをタップしてオフに切り替えてください。
これにより、バックグラウンドでの活動制限が解除され、歩数がリアルタイムで更新されるようになります。
対処法6:すべての日付の歩数データを表示させる
データが記録されているにもかかわらず、表示に問題があるだけの可能性も考えられます。
ヘルスケアアプリの「歩数」の画面で、「すべてのデータを表示」をタップしてみてください。
これにより、過去に記録されたすべての歩数データが時系列で表示され、データが実際に記録されているかどうかを確認することができます。
対処法7:最終手段としてiPhoneの全設定をリセットする
これまでのすべての方法を試しても問題が解決しない場合、iPhoneの設定をリセットする方法があります。
「設定」アプリの「一般」から「転送またはiPhoneをリセット」へ進み、「すべての設定をリセット」を選択します。
この操作は、写真やアプリなどのデータは消去しませんが、ネットワーク設定やプライバシー設定などが初期状態に戻ります。
実行する前には、念のためデータのバックアップを取っておくことをお勧めします。
iPhoneの歩数カウントが「少ない」「おかしい」と感じる時の精度を上げるには?
歩数はカウントされているものの、その数値が少ない、またはおかしいと感じることもあるかもしれません。
ここでは、iPhoneの歩数計の仕組みを理解し、より正確なデータを記録するためのコツを紹介します。
歩数計の精度はどのくらい?iPhoneの仕組みを解説
iPhoneは、内蔵された3軸加速度センサーや3軸ジャイロといったセンサーを使い、体が動く際の振動や傾きを検知して歩数をカウントしています。
複数の検証によると、iPhoneをズボンのポケットに入れた状態で歩いた場合、実際の歩数との誤差は平均で0-1%程度と、非常に高い精度であることが示されています。
一方で、手提げ袋に入れて歩いた場合は誤差が1-2%前後となり、体に密着している方がより正確に計測できることがわかります。
歩数をより正確に計測するためのiPhoneの持ち方
前述の検証結果からもわかるように、歩数の計測精度を上げるためには、iPhoneを体に密着させて持ち運ぶことが重要です。
ズボンのポケットや、体にフィットするショルダーバッグなどに入れて歩くことで、歩行時の振動がiPhoneに正確に伝わりやすくなります。
逆に、手に持ったバッグの中など、iPhoneが大きく揺れ動く状態では、余計な振動を拾ってしまったり、逆に歩行の振動をうまく検知できなかったりして、誤差が大きくなる可能性があります。
Apple Watchと連携して計測精度を向上させる
Apple Watchを併用すると、歩数計測の精度と利便性をさらに高めることができます。
例えば、iPhoneをデスクに置いたまま室内を移動するような場面でも、Apple Watchを装着していればその間の歩数も漏らさず記録されます。
ヘルスケアアプリは、iPhoneとApple Watchの両方から送られてくるデータを自動的に統合し、重複を除いた上で最も正確な歩数を算出してくれます。
これにより、一日を通した活動量をより正確に把握することが可能になります。
iPhoneヘルスケアの歩数カウントに関するよくある質問
最後に、iPhoneの歩数カウントに関して多くの人が抱く疑問について、Q&A形式でお答えします。
ヘルスケアの歩数はいつ更新される?反映のタイミングは?
ヘルスケアの歩数は、基本的にはリアルタイムで更新されていきます。
ただし、アプリのバックグラウンド更新設定がオフになっていたり、他のアプリとのデータ同期のタイミングによっては、表示上の反映が少し遅れることもあります。
通常は、ヘルスケアアプリを開いた際や、少し時間を置くことで最新の歩数に更新されます。
他の歩数計アプリと歩数が違うのはなぜですか?
iPhoneにインストールした他の歩数計アプリとヘルスケアの数値に差が出ることがあります。
これは、それぞれのアプリが歩数を計測するアルゴリズムや、ヘルスケアからデータを取得するタイミングが異なるために生じるわずかな誤差であることがほとんどです。
どちらかが決定的に間違っているというわけではなく、多少の差は発生しうるものと理解しておくと良いでしょう。
どうしても直らない場合、どこに相談すればいいですか?
この記事で紹介したすべての対処法を試しても歩数が全くカウントされない、あるいは明らかに数値がおかしい状態が続く場合は、iPhone本体のセンサー故障など、ハードウェアに問題がある可能性が考えられます。
その際は、自分だけで解決しようとせず、Appleの公式サポートに問い合わせて専門家の診断を受けることをお勧めします。
まとめ:簡単な設定見直しで、歩数計の悩みを解決しよう
本記事では、iPhoneのヘルスケアで歩数がカウントされなくなる主な原因と、その具体的な対処法について詳しく解説しました。
多くの場合、問題は「モーションとフィットネス」の設定やiOSのバージョン、低電力モードといったソフトウェアに起因しており、iPhoneの再起動や設定の見直しといった簡単な手順で解決できます。
まずは慌てずに、紹介した対処法を一つずつ試してみてください。
それでも改善が見られない場合は、iPhone本体の故障も視野に入れ、Appleサポートへの相談を検討しましょう。
正確な歩数データを日々の健康管理に役立てるために、この記事があなたの問題解決の一助となれば幸いです。